こんにちは。Shunta Photography株式会社代表の北村です。
今年3月に金沢21世紀美術館で開催された展覧会「結ぶ – 14 shoemaking methods – それぞれのモダンとクラシック」
その際にメインビジュアル撮影を担当したのですが、その時のことを記事にまとめておこうと思います。
この記事の目次
「結ぶ – 14 shoemaking methods – それぞれのモダンとクラシック」
14人の西日本から集まった靴作家が魅せる展示でした。
地元の伝統を取り入れる方や、靴なのか?って思うものを展示する方まで、
14人も作家がいれば、感性も様々。
本当に素敵な作品たちがずらりと21世紀美術館に並びました。
6日間の開催でしたが5000人近い方が足を運んでくれたのではないでしょうか?
そんな展示会にフォトグラファーとして関われたのは本当に幸せなことでした。
参加したキッカケ
この依頼を相談してくれたのは、
僕の大切な友人の1人で、人生の先輩でもあり、超絶おしゃれな靴職人のマサトくんです。
(かなり褒めました。)
普段からマサトくんは「しゅんた君(北村)の撮る写真は最高だよ。」と言ってくれます。
そしていつも撮影を依頼してくれます。
ある日の夜、電話で
「とても大切な展覧会が21世紀美術館である。フォトグラファーとして力を貸して欲しい。」
二つ返事で引き受けることに決めました。
そして、僕が最初の打ち合わせで代表の大森さんに言われたのは、
「フォトグラファーとして信頼しています。基本的に撮影内容はお任せします。」
もう撮影前からワクワクしかしませんでした。
だって普段はこう撮って欲しい、こうじゃない。などたくさんのルールの中で撮ることが多いんです。
フォトグラファーとして何をしたのか
シンプルですが2つのことです。
- ポスター撮影
- 作家プロフィール撮影
ではそれぞれどのように進行したのか
ポスター撮影
納期には余裕がありました。
ですので、とてもゆっくり考えました。
色々な案は出てくるものの何か足りない。
自分では調べるものの、わからないことの方が多い…
すぐにマサトくんに電話しました。
そしてカフェで靴についての話を聞くこと1時間
ある撮影案を考え、
それを紙の切れ端に描き殴ってやりました。
その図を見たマサトくんは「ひどい絵やな。」
と笑いながら書き直してくれました。

- モダンな色をしたクラッシックな靴
- 靴を作るための道具はアンティークで
- 下には無機質な鉄板
後日、靴に関する道具が揃っているマサトさんの工房をお借りして
4時間ほどかけて撮影しました。
撮影開始までの準備がかなり大変でした。
道具を透明な糸で吊る必要があります。
道具を思った位置に固定するのに時間はかかるし、
撮り始めてからの微調整を何度も繰り返しました。

こうして撮影が進みました。
デザイナーの大石さんとマサトさんの助けが無かったら
確実に丸1日はかかっていたでしょう。(笑)
そして出来上がった写真はこちらです。

作家プロフィール撮影
これは最後の最後まで悩みました。
僕の手で全員を撮りたかったのですが、スケジュールの都合上、それは不可能でした。
つまりここで発生した問題は
なので、実力に関わらず、一定の写真にしなければなりません。
- 背景を同一にする必要がある。
- ライティング(光の当たり方)を一定にする。
この2点が問題になりました。
なので以下のように対策をとりました。
- 空を背景にする。
- 屋外撮影にすることで自然光ライティングで雰囲気を統一する。
これで構図さえ指定してしまえば同等の写真が撮れ、
後々に加工を加えることで、同じクオリティを保てると考えました。
代理で撮影できる方にカメラの設定から構図までしっかりとお伝えして、
この作戦は本当にうまく進んでくれました。
別の人が撮った写真が混ざっているのに気づいた人は少なかったと思います。
違う分野の展覧会にフォトグラファーとして参加して
写真家なら、展覧会といえば写真展ですよね。
自身も過去に2回ほど展覧会を開いたことがあります。
自分は基本的に注目されるのが好きです。(笑)
だから、最初はこんな規模の大きな展覧会で輝くみんなに嫉妬してしまいそうでした。(笑)
でも、打ち合わせや撮影が進む中で考えは変わりました。
ここで思いっきり自分を出して、かっこいい写真を撮って輝いてやろう!
もちろん主役は靴職人ということは理解した上ですよ。(笑)
最後に
展覧会が始まり、実際に自分も会場に足を運びました。
3日間は滞在して毎日会場にいましたが、
本当に色々な人が足を運び、たくさんの笑顔を見れたと思います。
これだけ楽しく本気で、大好きな仲間たちと
素敵な展覧会を作り上げたことは、一生の思い出です。
撮影では色々な試みが出来、自分にとってもまた一つ成長するきっかけになりました。
そして何より、
全く異なる分野の展覧会でもコラボレーションが出来る
そんな写真の可能性を改めて実感しました。
今回も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
ポスター撮影でフォローをしていただいた大切な仲間
奈良の靴職人 マサトさん
https://www.masato-maeda.com/
デザイナー 大石さん
https://shoji014.com/